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2010年6月28日 (月)

トービン税、財政緊縮、ソブリンリスクを巡るG20の動き。日本が法人税を下げると産業はますます空洞化する。

 ほんの数日、日本の財政について調べただけで世界経済について述べるのはど素人の浅はかさの極み。しかし、別に文筆で銭を取っているわけでもないので気楽に書き散らしてみるのはど素人の特権。ろくな報道や評論がない中で、自分なりの視点を定めてものを見るのも必要だろう。

 僕が世界経済についてどんな風に見ているのかまず述べてみよう。

・トービン税が注目された背景

 アメリカの詐欺のような金融工学と博打のような投機経済によってサブプライムローンのような詐欺博打金融商品が世界中にばら撒かれた。その金融商品をしこたま買い込んだアメリカ、ヨーロッパの金融機関は激震に見舞われ深刻な金融不安が生じた。その金融不安を抑えるために各国が国費を金融機関につぎ込んだ。アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスなどで多額の国費が金融機関に注入されたが、その注入された金を各国の国民の負担とするのはおかしいじゃないかという真っ当な意見が出された。そこで、金融機関の取引に薄く課税して金融危機に対しての支出を金融機関自身に負わせようということでトービン税が注目された。昨年10月のG20でも話題になったが今回のG20ではどうなったのか。

・緊縮財政が注目される背景

 さて、各国は金融危機を抑えるために国費を注入したのだから当然財政状態は悪くなる。特にEU圏では「EU各国の財政健全度が「財政赤字が対GDP比が3%を超えているかどうか。」及び「公的債務残高の対GDP比が60%を超えているかどうか。」で判断されることとなった。」(社会実情データ図録政府債務残高の推移の国際比較より引用)ため、財政再建のための緊縮財政が議論されている。

・ソブリンリスクが注目される背景

 そんななか、ギリシャの財政危機が表面化した。ギリシャの前政権が粉飾していた財政赤字が表面化したことが発端となりギリシャ国債が大暴落、国債の70%にのぼる対外債務に対しての債務不履行危機が勃発した。それがユーロ全体の信用を揺るがし、世界の株価下落という混乱を引き起こし、国家へ金を貸しても返してもらえないというリスク、ソブリンリスクという言葉が注目された。

対策としてドイツ、フランスやIMFがギリシャの国債を買い支え、その代わりにギリシャへの厳しい緊縮財政を求めた。ドイツ、フランスの国民は何故自分達の税金を他国のために使うのかと反発したがその反発は何とか押さえられた。しかし、ギリシャの国民はこの緊縮財政政策に対して怒った。国家が勝手に粉飾し、税の補足率が異様に低く金持ちがまっとうに税金を払っていないのに何故、俺達労働者がその付を払わせられるのか?というこれまた真っ当な怒りだ。(この辺の事情はマスコミに載らない海外記事「ギリシャ人は分かっている-Chris Hedges」が詳しい。)菅総理がギリシャに固執するのは、総理自身が市民派だから市民の自発的な抵抗が大好きで大いに共感するんだろう。心の底では沖縄の市民の反乱を待ち望んでいるんだろう。(皮肉です)

ここで、注意しなければならないのは、ソブリンリスクが問題となるのはポルトガル、スペイン、イタリア、ギリシャなど財政状況が悪い国でイギリス、ドイツ、フランスなどの財政状況が良い国とでは緊縮財政の意味合いが違うということだ。

以上が世界経済に対する僕の見方

それでは、トービン税、緊縮財政、ソブリンリスクに対してG20ではどんな議論がされどのような声明が出されるのか。

一応注目したい。

 一応というのはG20の前哨戦であるG8ではつまらない議論がされたようだからだ。

 アメリカはG20直前に金融規制改革法案の一本化に成功した。抜本的な金融規制改革が実現するめどをつけている。

 一方英、独、仏は銀行税の導入に合意している。

 両勢力ともやることをやって自分の正当性を主張するために参加している。

 そしてこういうことになる。(下記のロイター記事がG8について一応網羅的に報じている。)

G8は財政再建で欧米が歩み寄り、各国状況に応じた計画許容」[ムスコカ/トロント 26日 ロイター]より抜粋

 「カナダのムスコカで開催された主要8カ国(G8)首脳会議では、日米欧の間での財政再建と成長のバランスについての対立を回避しおおむね合意に達した。

 財政再建の重要性について確認しつつ、成長に配慮して各国の経済財政状況に応じて進める方向となった。」

「ただ銀行課税については、メルケル独首相が「残念ながら銀行課税についても金融取引税についても共通の立場は持っていない」と述べ、今回のG20では合意に至らない可能性を示した。」

抜粋終わり

要するにトービン税についても緊縮財政についても世界的な方向性は認めつつも各国の対応に任せましょうということになった。何のために雁首そろえて集まったのか?いつも感じるGなんとかへの不信感だ。

注目したいのはアメリカが寛大にも、賢明にも日本に対して、もうちょっと勉強しなさい、と貴重なアドバイスを賜ったことだ。

「米国からは財政再建により世界経済に悪影響を与えるよりも、内需拡大を求められている。」

抜粋終わり

これに対して選挙をほっぽり投げて、消費税に対しての発言も定まらない、カナダ漫遊の旅に出てご満悦のわれらが菅総理は

「「経済・財政の問題では私の方から成長と財政再建の両立がわが国だけでなくすべてのG8諸国にとって重要だと指摘した」と述べた。」

抜粋終わり。

この発言は国辱ものだ。

上記縷々述べたが、トービン税、緊縮財政、ソブリンリスクが現在の世界経済の問題である。

トービン税については日本は幸運にも関係がない。日本の金融機関は企業へ融資することもなく、アメリカの詐欺証券に手を出しすぎて大やけどをしたわけでもなく、おとなしく日本国債を買っていたのである。だから、日本ではサブプライムローンで信用不安が激化することはなかった。トービン税の世界同時導入など勝手にやってくれという立場だ。

緊縮財政についても金融機関への財政投入で財政が悪化したわけではないので関係ない。

まして、ソブリンリスクなど日本の経済規模と対外債務の少なさからは問題にもならない。

世界各国に比べて、実は日本は莫大な金融資産と貿易黒字という大きな優位性を持っている。G20で焦点になるような問題は日本には無関係で、むしろ日本は日本の優位性を利用して緊縮財政よりも内需拡大に努めたほうが良いのでは?とわざわざアメリカ様に言って頂いたわけだ。

各国はそれぞれの国の問題にどのような解決策の道筋をつけるのか、ある程度形をつけて参加した。日本だけが問題の把握と解決策が見当違いのまま参加した。そういう状況も全く解らず、官僚からアホなレクチャーを受けて、日本の総理だけが全く的外れな発言を記者会見で口走ったわけだ。多分、「こいつ、何にも解っていないなー」と各国首脳に無視された発言をわざわざ記者会見で発表したのだろう。物笑いの種だ。

そして

 「ロイターが入手したG20声明草案では 「先進国は(成長と財政健全化の間の)こうしたバランスを反映して、2013年までに財政赤字を少なくとも半減し、2016年までに政府債務の対GDP比率を安定もしくは低下させる財政計画にコミットしている」 と、今後3年間での赤字半減など具体的な目標を盛り込んでいる。ただし「財政の持続可能性を実現するため、(中略)成長に配慮した計画をまとめる必要がある」として、成長への配慮も謳っている。」抜粋終わり

 このような、日本の優位性をぶっ潰すような声明をよもや受け入れて、だから消費税だなどとのたまうつもりじゃないだろうな。

 せっかくアメリカ様からもお墨付きをもらったのだ。

日本の財政問題の核心は莫大な個人金融資産が末端まで循環せず、結果消費低迷、デフレによる財政支出の乗数効果が失われていることである。だから、労働規制を修復し、同時に金持ち増税を行い必要な景気刺激策をとる。そうすれば税収も増え財政の健全化ははかれる。だから日本は独自の財政再建を行うことができるので2013年までに財政赤字を少なくとも半減するなどという声明に与することはない。それはあんた達の問題であり、あんた達で勝手にやってくれ。これぐらいのことを言って欲しかったものだ。(まあ無理だわな)

G20でどのような声明が出されるか注目される。特に中国の出方が。世界市場を視野に入れれば、日本が本当に消費税増税と法人税減税で対処すれば何がおきるか。減税された資金は需要の旺盛な中国への投資へ流れる可能性がある。中国との合弁による企業設立には投資効果が望めるだろう。需要は中国に有る。日本の技術も流出するだろう。そうすれば在外企業は潤い、中国には税金が落ちる。中国の労働者にも恩恵はあるだろう。しかし、空洞化後、残された日本の企業はますます中国との過酷な価格競争に巻き込まれる。日本の労働者への恩恵は無い。ますます日本の労働者は塗炭の苦しみを舐める。そこに、消費税増税が追い討ちをかける。日本没落のシナリオである。

今日の、NHK7時のニュースではG8については北朝鮮への非難声明、米韓の戦時作戦統制権の移管先送り、おまけにサッカーだ。世界の経済状況と日本の財政事情を見据えた報道は皆無。アメリカの貴重な助言も完全無視だ。きな臭い動きを歓迎するような姿勢での報道が目立つ。

サッカーの商業主義の構造については「マスコミに載らない海外記事」「ワールド・カップと南アフリカ」が詳しく述べている。こんなもののためにメディアが占領され、愛国心の物騙りを刷り込まれ、金をたっぷりと関係者に流すことに協力し、その間に世界の舞台ではわれらが菅総理大臣が日本亡国の方針を得々と話して、又お荷物をしょわされる。ばかばかしくて話にならない。 

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みかみかりんごさんから頂いたコメントにレスを付けていたが,長くなったので1本エントリを立てることにした. 前半部を書いているときにはまだ質問の趣旨をよく把握していなかったため,多少的外れなところがあるかもしれない.後半部では,質問の趣旨を「全銀ネット上のトランザクションには,銀行から企業への融資,個人への貸し出し,あるいは消費者金融からの借金などの金融取引が含まれているのではないか?これによってトランザクション総量が膨張し,見かけ上の取引高を大きくしているのではないか?」と理解した上で,それに... [続きを読む]

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