辻元清美の号泣と路上生活者の涙
asahi.com 2010年5月31日12時45分
辻元・国交副大臣が辞表提出、号泣「さみしい、つらい」
所属する社民党が連立政権を離脱するのに伴い、前原誠司国土交通相に正式に辞表を提出した辻元清美・国交副大臣は31日の登庁時、記者団に「国交省は利権の巣窟(そうくつ)みたいなイメージがあったが、そうではなかった」などと述べ、号泣しながら在任8カ月余を振り返った。
辻元氏は「不安いっぱいでここに入ってきたが、多くの職員が『変えていこう』という私たちの思いに賛同してくれた。辞めるのはさみしいし、つらい」と、突然の辞任に無念の思いをにじませた。辞表を受け取った前原国交相は「連立離脱は大変残念だが、一緒にまとめてきたことをやり抜くことで恩返しにしたい」とねぎらった。
引用終わり
ため息をつくしかない。
「国交省は利権の巣窟(そうくつ)みたいなイメージがあったが、そうではなかった」
現役の国交省官僚が利権の金にまみれているわけが無い。政策を遂行する過程で土建屋に金を落とし、議員の集票に協力してこれを黙らせ、退官後に出来上がった箱物に陣取りたっぷりとその余禄に預かるのが官僚の利権の構造ではないのか。八ツ場ダムは一体どうなった?大赤字の地方空港の乱立、採算の取れない路線設定、そしてJALの破綻。副大臣という職務はそういうことをすっかり忘れ果てさせるほどにも魅力的なのだろう。
「多くの職員が『変えていこう』という私たちの思いに賛同してくれた。」
それは楽しかったことだろう。自らのリーダーシップに多くの人々が共鳴し、共に仕事を成し遂げてゆく、それほどの喜びはない。
しかし、物事を変えられたくないときに面と向って反対するほど馬鹿なことは無い。「そのとーり!一緒にがんばりましょう」と満面の笑みで応え、最も本質的なことには絶対手を触れさせない。この面従背反、組織を変革しようとするとき出てくる極当たり前、日常茶飯の反応に対して「私たちの思いに賛同してくれた」とはよく言ったものだ。
変革の本質をいつも見据えながら、反発を敢えて誘発し、誰が敵で誰が見方なのかを見極め、自分の持っている権限を行使しながら目的を達成してゆく、そこにあるはずの厳しさが微塵も感じられない。
生活保護を受け何とか生活を立て直そうとしている方の涙ながらに語った「炊き出しがなければとっくに死んでいたと思う」という言葉。
癌に侵され会社を辞めざるを得なくなり、パート掛け持ちの妻の収入だけではとても子供を養っていけない、しかし、その妻の収入がネックとなり世帯として生活保護が受けられない。敢えて離婚をして家族と離れ、生活保護を受給しての生活が始まり、ぽつんと放った「なぜ、こんな終わり方をしなければならないんだろう」という言葉。
どちらも、非正規雇用ではなく正社員だった方々である。
このような生活の苦悩とあまりに無邪気、無頓着、無自覚な政治家の振る舞い、この落差に暗澹たる思いが募るばかりだ。
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