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2010年7月 7日 (水)

地方が疲弊する具体例。官製ワーキングプアの笑えない話。地方公務員は高給官僚の支配にがんじがらめ。

  地方自治体の競争入札は土木工事だけではない。施設の警備、清掃、給食ケータリングなどの様々な職種に及ぶ。入札に応じる会社の従業員は非正規雇用がほとんどである。入札金額を低く抑えるために人件費を抑えなければ儲けにならないからだ。

当然、そこで働く人々は不安定な雇用条件のなか、役所のきつい要望に応えるため目一杯酷使される。役所の中で働く人が労基法違反の労働条件を課されていても、役人は全く気にする気配も無い。

先日、僕らの仲間が受けた相談で笑えない話があった。清掃業務で数年契約を継続していた女性の方が、勤めていた会社を解雇されたのだ。役所の入札が取れなかったことがその理由である。

なんとか、安いパート仕事と、なけなしの貯金で食いつないできたがにっちもさっちもいかなくなって相談に来たそうだ。

役所にその仲間が同行して生活保護の申請に行った。さすがに門前払いはされなかったが、なぜ以前の仕事をやめたのか、まだ若いのだから仕事など探せばいくらでもあるだろう、とねちねちやられたそうだ。同行者が口を挟もうとしたところ、相談者が真っ赤な顔で怒りながら

「役所が首切っておきながら何だその物言いは」と怒鳴りつけたそうだ。それから延々自分が首を切られた経緯、それまではまさに市役所のこの建物の掃除を担当していたこと、3月も末になっていくら契約満期だといえそのまま解雇になり、仕事を探してもまともな仕事が無く、半端仕事で食いつないできたことをすごい迫力で語ったそうだ。

役所の担当者は毒気を抜かれたようにしゅんとして、その後は滞りなく申請の手続きが進んだそうだ。いざというときは女性のほうが底力を発揮するようだ。

彼女が首になったのは、無論その市役所の担当者のせいではない。しかし、役所のやっていることで困窮に陥る人がいることを知って、ちょっと考えを変えたようだ。

現場の役人というのは実はいろいろなリソースに囲まれており、そのリソースをうまくネットワーキングできればとてもよい仕事ができる。人々の困難はいろいろな要素が絡み合って複雑化していることが多い。DVや病気や借金や家族や親族との関係や家主のセクハラなどなど。そして役所の中にはそれらの問題に個別に対応する窓口はある。しかし、複雑なケースについては面倒がって他の窓口へ押し付けようとする。

かえって、病院に勤めるケースワーカーが優秀な場合が多い。役所や外部のリソースをうまく活用し最も有効な問題解決方法をすばやく組み立てることができる人がいる。仕事も速く、無駄な金も使わずに適切な解決策を導き出す。

こういう人は本当に仕事が楽しいだろうなと思う。なぜこの様な人が役所に少ないのかなとも思う。

だが、その答えは簡単だ。余程の力量を備えていても組織内で評価されないからだ。役人は他の部署との連携を極度に嫌う。ヤクザの縄張り意識みたいなものがある。その縄張りを易々と越えて仕事をする人は煙たがれる。何か問題がおきると真っ先に槍玉に挙げられる。

しかも、国の官僚からの予算の締め付け、告示、通知などでがんじがらめにされている。法律の解釈を手取り足取り指導される。まさしく、国家の官僚から地方末端の役人までものすごい強固な支配管理関係が貫徹している。その支配管理関係に従順なほど評価される人事システムのもと、地方自治体の役人もみなヒラメになる。官僚独裁制の面目躍如というところか。

官製ワーキングプアは外注だけではない。役所の中にも非正規雇用で働いている人はごろごろいる。役所の正規職員は非正規職員の労働条件に引きずられることは今のところ少ない。しかし、役所の入札に応札するために非正規社員を雇う会社では、容易く、容赦なく正規社員の労働条件も引き摺り下ろされる。

地方では大店立地法の成立により大資本が侵入し、地元資本が圧迫された。大資本に対抗するためには賃金カットにまい進する。さらに官製ワーキングプアによってますます雇用状況が悪化している。派遣、非正規雇用どころか、「個人請負」などという労基法を潜脱する雇用形態も増えてきている。

従って、公務員の給与を下げろという声には反対である。ますます、労働者全体の賃金水準の低下に拍車をかけることは間違いない。求めるべきは、全ての労働者が公務員並みの給料と待遇を受けることである。何度でも言うが、雇用規制の修復である。公務員を、特に高給官僚を白日の下に引きずり出し、主権者の望む仕事をさせることである。

妬み嫉みで足を引っ張り合っても得るものは無い。あるのは阿久根市のようなファシズムへの道である。

「強者への愛、弱者に対する嫌悪、小心、敵意、金についても感情についてもけち臭いこと、そして本質的には禁欲主義というようなことである。かれらの人生観は狭く、未知の人間を猜疑嫌悪し、知人に対しては詮索好きで嫉妬深く、しかもその嫉妬を道徳的公憤として合理化していた。」(「自由からの逃走」64P234エーリッヒ・フロム著)

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