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2010年7月30日 (金)

虐待と貧困の拡大再生産。問題の本質から目をそらし続けても、問題は消えて無くなりはしない。負のポジティブ・フィードバックは間違いなく日本を蝕み続けている。

Asahi.com児童虐待、過去最多の4万4千件 09年度の児相対応分
以下抜粋
Tky201007280210

「厚労省は虐待死を防ぐため、望まない妊娠などの悩みに対する相談体制を充実させ、乳幼児健診の受診を呼びかける。」
抜粋終わり

見事に自殺者が3万人を超えた98年から急カーブを描いている。厚労省は見てみぬ振りを決め込むつもりだろうが、多くの人々はとっくに気づいている。虐待の背後には貧困問題が横たわっていることを。

児童相談所から見る子ども虐待と貧困 虐待ハイリスク要因としての家庭の経済的困難
川松 亮 東京都北児童相談所 児童福祉司
「言うまでもなく児童相談所は、子どもに関するあらゆる相談を受け付けているところである。しかし、ほとんどの子どもの問題は、家庭の抱える問題の反映であると感じる、家庭内の葛藤が子どもの成長に様々な形で影響を及ぼしているのだ。そしてよく調べてみると、家庭の抱える問題が、多くの場合に経済的な困難を背景としていることがわかってくるのである。」子どもの貧困白書 P233
「子どもの虐待を減らすためには,家族を巻き込むこのような貧困状況を解消するための対策を講じる必要があると考える。」子どもの貧困白書P236

それとも厚労省の役人は、この学校の管理職のように現象の表層をなぜ回すだけで、問題の本質に気づかない馬鹿ばかりなのか。

「脱線となるが、虐待が社会的問題となっている今日ですら、学校の管理職が「我が校には虐待児など一人もいません」と断言されることがある。
「じゃあこんな子はいませんか。何日も服を替えてこない。風呂にきちんと入っていない。落ち着かなくて、気分のむらが激しい。だれかれかまわずべとべと抱きつくが、ちょっと注意すると切れて大暴れする。暴れた後や、しかられた後、ぼおっとしてしまう。感情のこもっていない人形のような目で人を見つめる。弱いものいじめを繰り返す。給食をがつがつ食べるがちっとも太らない。」
 すると「そんな子はいっぱいいる」と言われるのが常である。「今述べたようなものが虐待児の特徴です」と言うと、驚いて考え込む。」子ども虐待という第四の発達障害 杉山 登志郎著 P39

そして、子どもの将来に襲いかかる現実。
Garbagenews.com「25歳未満の非正規雇用率は72%に急増中、ただし……」2008年11月22日より引用

Gn2008112208



特定非営利活動法人自殺対策支援センターライフリンク 自殺者統計より引用
④男女別・年齢別自殺者数
自殺は、日本人の死因第6位になっています。20~45歳の男性、15歳~35歳の女性においては、死因の第1位です。
日本では、中高年の自殺率が高く、自殺者全体の6割を占めています。
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家庭における貧困と虐待が社会による継続的な虐待と貧困に移行するだけだ。貧困と虐待の連鎖と拡大再生産、負のポジティブ・フィードバックは続いてゆく。

困窮者を支援する活動において、極まれに、重篤な適応障害を抱えている人に遭遇することがある。そこで、精神科医や心理カウンセラーなどの応援が必要となり、僕たちも基本的な知識習得のため勉強会を開いたりする。
そんなかかわりの中で、ある私立大学で学生の相談業務にも携わる先生と懇意にしていただいている。その先生は臨床心理士の資格も持っている。
私立大学に子どもを通学させてやれる家庭は、経済的にも余裕のある家庭であり、その子弟ものびのびと大学生活をエンジョイしているのかと思っていたが、その先生によると、全然そうではないらしい。
例え、父親が正社員であっても、賃金は上がらず、いつ、リストラに遭うかわからない。家庭自体にいつも不安の影があり、それが親からの暴力や過度の支配に繋がる。
学校では、閉じられた関係におけるネットの世界が現実世界に大きな影響を与えているらしい。学校裏サイトがよく問題になるが、なんと、同じような問題が大学にもあるという。今の子どもは小さいときからいじめのトレーニングを重ねている。ネットの世界を利用して現実の人間関係を操作し、破壊することなどお手の物だというのだ。
そして、厳しい就職状況がある。この闘いに負ければ、一生低賃金、不安定な非正規雇用しかないという現実を学生達は過剰に認識している。
心の壊れ方が半端ではない学生などごろごろいるということである。
その先生に言わせると、事後的紛争の解決のため法科大学院を作って弁護士を増やしたり、心理士や学校カウンセラーを増やしても、問題は解決しない。国家が責任を放棄して民間に安くそのケツを拭かせるが目的であり、とんでもない話だということだ。全く同感だ。

何の責任も感じることなく、どうして、こう平然と若者を苛め抜くことができるのだろう。そのつけは必ず払う羽目になる。
心を病む若者がどんどん増える。若者の心の闇がどんどん広がる。
どうしても、スケジュール管理や身の回りの整理、整頓ができない社員がいる。
他人の心理的弱点を巧妙に嗅ぎ分け、支配、操作しようとしてトラブルを撒き散らす社員がいる。
異動や昇進に伴い、過剰適応の末、うつ病になってしまう社員が随分増えた。

虐待として認知される子ども、病的な社会不適応として治療を要する者。しかし、社会的な認知からこぼれ落ち、心に深い傷を抱えながら、未来に絶望して青息吐息で生きている若者は、一体どれほどの数にのぼるのだろう。

ニュースとなる大事件の影で、故意過失も定かではない、責任能力を問えるかも微妙な事件、事故、トラブルがますます増えていくのではないだろうか。

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