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2010年7月 5日 (月)

「改正臓器移植法」別名「困窮者殺人許可法」が今月全面施行される

 昨年の7月、ろくな議論も経ずに、人の生き死にを公権力が勝手に決める改正臓器移植法が、政権交代前のどさくさに紛れて成立した。

 脳死は臓器移植に限って人の死と認められていたのが、全般的に脳死が人の死とされる。

本人の臓器提供の意思表示がなくても、家族が承諾すれば臓器提供が可能となり、しかも15歳未満の子供からの臓器提供も可能となる。

 この時のマスコミの論調は、移植を受けられない幼子を救え、というお涙頂戴のキャンペーンに塗りつぶされた。一方で医療費の削減のため、長期の寝たきり患者の病院からの追い出しが横行し、介護難民という言葉ができた。健康保険料を支払えない困窮者を容赦なく医療サービスから排除した。徹底的に困窮者の命を軽んじ、自己責任の下に死に追いやっているくせに、他方で、幼子の命の尊さを高らかに謳いあげる欺瞞性には吐き気を覚えた。

 

 確か、この法案採決直前のTVタックルに河野太郎が出演し、三宅なにがしという禿げじじいと一緒に、鬼のような形相で、真っ赤になって、禿は青筋立てて、「これ以上子供を殺すのか!」とカメラを睨みつけて怒鳴りつけているのを見て、「ああ、この河野太郎という男、自分の父親に生体肝移植をしたことが、悔しくってしょうがないんだな」とつくづく思った。

「自分のように血筋の良い政治エリートが、なぜ、危険を伴う外科的侵襲を受け、健康を危機にさらさなければいけないのか。体面を取り繕うために、孝行息子を演じるために、こんな痛い目に遭うのはまっぴらごめんだ。こんな役回り、貧乏人の役立たずに任せておけば良いんだ。」という、河野太郎の魂の叫びが僕には聞こえたような気がした。

政権交代が起こり、少しは弱者に対する国の姿勢も変わることを期待した。確かに子供のいる世帯へは健康保険証が発行された。診療報酬が10年ぶりに全体で0・19%引き上げられた。しかし、それ以外は?何も変わらなかった。相変わらず、労働規制の修復は行われていない。家族共働きでのかつかつの生活が、片方の病で崩壊する例など掃いて捨てるほどある。

貧困のストレスと、仕事のかけもちで健康を害する人は、僕の体感でも、大変多い。この若さで脳梗塞?という方も結構いる。貧困層の健康リサーチをすれば恐ろしい結果が得られるかもしれない。

医療費が無料で、病院から追い出されることもなく、雇用やセイフティーネットがしっかりしていれば、家族の突然の事故や病気での不幸に直面しても、取り乱した心を慰撫する時間が与えられるだろう。体は温かくとも、人口呼吸器につながれ、全く意思の疎通のかなわない家族。その暖かい手をさすり、涙に暮れながらも、過去の様々な追憶をたどり、その死をゆっくりと受け入れることができるかもしれない。

しかし、現状は次の記事からもうかがい知ることができる。

経済的理由で治療中止、約4割の医療機関で 20100617 キャリアブレイン

以下引用

「またこの半年間に、医療費負担を理由に患者から検査や治療、投薬を断られたことがある医療機関は42.9%だった。施設別では医科診療所が46.1%、病院が43.1%で、歯科診療所の38.5%に比べ医科医療機関で多かった。竹崎三立副会長は「医科では、慢性疾患で継続して受診していると、簡単には治療を中断できない。しかし、1か月分の薬を3か月かけて飲み切るなどして受診を控えたり、必要な検査を断ったりする例は歯科よりも多い」と説明している。」引用終わり

また、アメリカでの移植医療現場では間違いなく保険加入ができない貧困層がドナーとなる割合が高い。

晴耕雨読2009/6/28米国では、医療保険なしが最大の臓器提供要因 ドナーの16.9%が無保険 北東部の病院も危険」 参照

生活に追われ、医療費の負担、介護の負担に苛まれ、重度障害者への保障制度も知らされること無く、まして雇用保険や年金にもろくに加入していない職場で働く人々が、医師の脳死判定の勧誘を拒絶することができるだろうか。

新法には脳死判定を拒絶する権利が担保されていると言うが、困窮者にとって、その権利などまさに絵に描いた餅ではないのか。

臓器移植法、「改正の内容を知らない」40%2010630  読売新聞)

改正の内容どころか、脳死と自発呼吸のある植物状態との区別がつかない人もたくさんいる。何が行われているかに無関心な国民は、運悪く不幸な事態に直面したときに始めてそのおぞましさを知る。

 この法案の施行により、救われた命についてのおめでたい記事はマスコミにあふれかえるだろう。だが、困窮者の苦渋の決断、自らの魂や良心を縊り殺す恐ろしい決断には、非難の眼差し以外は、一切目が向けられることは無いだろう。

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